◎免責って自動車保険の免責と一緒でしょ
◎免責がある場合とない場合の違いは何?
◎免責金額の設定がないとどんな問題が起きるの?
◎免責金額の設定があったらどんなトクがあるの?
カーリースは、月々の定額料金で新車に乗れる便利なサービスとして、多くの方に利用されています。
しかし、契約満了時に車を返却する際、思わぬ費用請求に驚く方も少なくありません。そのカギを握るのが「免責金額」です。
「免責」と聞くと、自動車保険の免責額を思い浮かべる人が多いかもしれません。保険の免責は事故修理時に自己負担する金額ですが、カーリースの免責金額は、車両返却時の原状回復費用のうち“ここまでなら利用者が支払わなくてよい”と決められた金額を指します。
例えば、修理費が20万円かかった場合で免責額が10万円なら、10万円はリース会社が負担してくれるため、利用者の負担は10万円です。
ただし、リース会社ごとに免責金額が異なり、そもそも免責金額を設けていない場合もあります。
また、原状回復とは「新車の状態に戻すこと」を指しますが、経年劣化や通常使用による傷などは修復対象外となるケースがほとんどです。
これを正しく理解していないと、返却時に予想以上の高額な請求が発生する可能性があります。
本記事では、カーリースの免責金額の基本から、リース会社ごとの違い、そして契約前にチェックすべきポイントまで詳しく解説します。リース契約が満了したときに、「こんなはずじゃなかった」と嫌な思いをしないためにも「免責金額」について知っておくことが非常に重要です。
免責金額の仕組みを詳しく解説し、安心してカーリースを利用するためのポイントをご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
カーリースにおける免責とは?
まずは、免責という言葉の基本的な意味から理解しましょう。
免責とは
①責任を問われるのを免れること。
②債務者が債務の全部または一部を免れること。
出展:三省堂 大辞林 第三版
カーリースにおける「免責」とは、契約満了時に車両を返却する際、原状回復に必要な修理費用のうち、契約者が負担しなくてもよいとされる金額を指します。
例えば、免責金額が10万円に設定されている場合、修理費用が10万円以内であれば、契約者の負担は発生しません。修理費用が15万円かかったとしても、免責金額が10万円であれば、利用者が負担するのは差額の5万円で済む、ということです。
ただし、カーリースには、契約満了時に「クルマがそのままもらえるプラン」や「残価なしプラン」それに「買取オプション付きプラン」などもあります。これらの契約形態であれば、クルマを返却する必要がないため、免責金額は関係ありません。
なお近年は、リース契約に付帯できる「リース車専用任意保険」という仕組みも登場しています。
この専用保険では、全損時の自己負担をゼロにできる特約があり、車両全損や盗難・水没時にも補償されるケースもあります。
クルマがもらえるカーリースについて詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。→「クルマがもらえるカーリース」
レンタカーとカーリースにおける免責の違い
自動車関連で「免責」と聞くと、自動車保険の免責額を思い浮かべる方が多いでしょう。
レンタカーの場合、事故時の修理費用に対して免責金額が設定されており、その金額までは利用者が負担します。
例えば、対物事故で修理代が30万円かかる場合免責額が10万円だとすると、自己負担額10万円で自動車保険から残りの20万円が支払われる仕組みです。
一方、カーリースの免責は、契約満了時の車両返却時に発生する原状回復費用に対して免責金額が設定されていて、免責範囲内であればリース契約者が負担する金額は無いということです。
詳しく説明します。
レンタカーの免責
レンタカーにおける免責は、主に事故発生時の修理費用に適用されます。レンタカー会社が加入している自動車保険には免責金額が設定されており、もし事故を起こしてしまった場合、その免責金額までは利用者が自己負担することになります。
例: 対物事故で修理代が30万円かかり、免責額が10万円の場合、利用者の自己負担額は10万円となり、残りの20万円はレンタカー会社の自動車保険から支払われます。
レンタカーを利用する際は、万が一の事故に備え、免責補償制度の有無や、保証内容がしっかりしたレンタカー会社を選ぶことが重要です。
カーリースの免責
一方、カーリースにおける免責は、契約満了時の車両返却時に発生する原状回復費用に対して設定されます。リース契約者が任意保険に加入している場合でも、その保険が適用されるのは事故時の修理費用であり、契約満了時の原状回復費用とは別物です。
カーリースの免責金額は、車両の査定により修理が必要と判断された場合、その修理費用のうち契約者が負担しなくてよい上限額を指します。
例)
- 1、リース契約満了後、車両を返却。
- 2、自動車査定の結果、外装の傷修復に修理代が10万円必要と判断。
- 3、免責額が10万円に設定されている場合、利用者の請求額は0円。
免責金額が設定されていないカーリースのリスク
免責金額が設定されていないカーリース契約では、契約満了時に車両を返却する際、原状回復に必要な修理費用が全額契約者の負担となります。たとえ小さな傷や汚れであっても、修理費用が高額になる可能性があるため、契約前に免責金額の有無を必ず確認することが重要です。
キズや汚れによる請求
一般的に、経年劣化や通常使用の範囲内と認められる小さな傷や汚れは修理対象外となることが多いです。しかし、以下のような場合は修理費用を請求される可能性があります。
・知らぬ間につけてしまった小さなへこみや擦り傷:日常的に使用していても、思わぬところで傷をつけてしまうことがあります。
・室内のひどい汚れや破損:小さなお子さんがいる家庭などでは、車内を汚してしまうこともあります。シートのシミや破れ、内装の破損なども原状回復の対象となる場合があります。ペットを乗せる場合も注意が必要です。
これらの傷や汚れは「通常損耗の範囲を超えるもの」と判断され、修理費用が請求されるリスクがあります。
契約より多く走行してしまった場合(過走行)
免責金額の中には、過走行も対応になることがあります。
過走行のとき損害金が請求されるとは、「最初の契約のときに、クルマを返却するときは、走行距離数は○○Km以内で返却します」と約束するのですが、約束より多く走行してしまった場合に、多く走行してしまった分は損害金として請求されることです。
リース会社で請求額に違いがあり、安いところでは1Kmにつき8円を請求されるところから1Kmにつき15円請求されるところまであります。
月間走行距離の設定が少ない場合は、リース月額が安くなるので実際の利用距離より少なく契約すると返却のときに過走行損害金として請求されるので過少申告は損をしてしまいます。
500km×36か月=18,000km
返却の際に25,000km走行していたとすると
25,000km‐18,000km=7,000km
過走行損害金8円の場合は56,000円 15円の場合は105,000円
上記が請求されることになります
【注意点!】
・月々のリース金額を安くするために、実際の利用距離よりも少なく走行距離を設定してしまうと、返却時に高額な過走行損害金を請求される可能性があります。
・契約途中で走行距離の変更ができないリース会社も多いため、契約前にご自身の走行距離を正確に予測することが重要です。
とはいうものの、契約満了後にクルマをもらえる契約やオプション設定しているのであれば過走行損害金は関係ありません。
免責金額を設定している主なリース会社
すべてのリース会社が免責金額を設定しているわけではありません。
ここでは、免責金額を設定している主要なリース会社としてオリックスカーリースの今のりシリーズを例に挙げてみます。
オリックスいまのりシリーズ
オリックスカーリース「いまのりシリーズ」には、以下の4種類のプランがあります。
- いまのりくん(5年契約)
- いまのりセブン(7年契約)
- いまのりナイン(9年契約)
- いまのりイレブン(11年契約)
これらのプランにおいて、契約満了後に車両を返却する場合、一律10万円の免責金額が設定されています。
いまのりセブンの場合(7年契約)
いまのりセブンは7年契約満了時に、「クルマをもらうか」「返却するか」を選択できます。
⚪︎クルマをもらう場合:査定はおこなわれず、走行距離の超過や外装の傷なども関係なく、そのままクルマがもらえます。追加費用を気にせず乗り続けたい方におすすめです。
⚪︎クルマを返却する場合:車両を返却する選択をすると、年間リース料金の20%がキャッシュバックされます。ただし、この場合は前述の10万円の免責金額が適用され修理費用が10万円を超えた分は自己負担となります。
いまのりナインの場合(9年契約)
「いまのりナイン」は9年契約を満了した場合は、クルマをもらうことができます。クルマを返却する必要がないため、返却時の査定や免責金額、過走行により追加費用を心配する必要がありません。
いまのりイレブンの場合(11年契約)
「いまのりイレブン」も「いまのりナイン」と同様に、11年解約満了時にクルマをもらうことができます。こちらも返却時の査定や追加費用を気にせず利用できる点が大きなメリットです。
いまのりシリーズをまとめると
「いまのりシリーズ」のうち、「いまのりセブン」で車を返却するケース、そして「いまのりくん」の返却時には、免責金額10万円が適用されます。
一方、「いまのりナイン」と「いまのりイレブン」は、契約満了時に車がもらえるため、返却時の免責金額は実質的に関係ありません。
オリックスカーリースのコールセンターによると、「いまのりナインやイレブンは、9年・11年で支払いがすべて完了するため、返却時に免責額10万円は設定されているものの、追加料金が発生することはほとんどない」とのことです。
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カーリース契約時に確認すべきポイント
カーリース契約を結ぶ際は、契約内容をしっかり確認することが、後々のトラブルを防ぐ上で非常に重要です。特に以下の4つのポイントは必ずチェックしましょう。
免責金額の有無と金額:
契約満了時に車を返却する可能性がある場合、免責金額が設定されているか、そしてその金額がいくらなのかを必ず確認しましょう。免責金額が設定されていれば、万が一の修理費用が発生しても自己負担を抑えることができます。免責金額がない場合は、些細な傷や汚れでも全額自己負担となるリスクがあることを理解しておきましょう。
走行距離制限:
カーリースでは、月間または年間の走行距離制限が設けられているのが一般的です。契約期間中にこの制限を超過すると、追加料金(過走行損害金)が発生します。ご自身の普段の走行距離を把握し、無理のない走行距離制限のプランを選ぶことが大切です。もし、頻繁に長距離を走る予定があるなら、走行距離が無制限のプランや、走行距離上限が高めのプランを検討しましょう。
保険の内容:
カーリース料金には、自賠責保険が含まれているのが一般的ですが、任意保険は含まれていないケースが多いです。任意保険は、事故を起こした際の対人・対物賠償、車両保険など、万が一の大きな損害から身を守るために不可欠です。ご自身で任意保険に加入する必要があるか、その場合どのような補償内容にするべきかを事前に確認し、必要な保険に加入しましょう。リース会社によっては、任意保険もリース料金に含められるオプションがある場合もあります。
原状回復の範囲と基準:
契約満了時に車両を返却する際、どの程度の状態までが「原状回復の範囲内」と見なされるのか、その基準を明確に確認しておきましょう。経年劣化や通常使用による軽微な傷や汚れは対象外となることが多いですが、具体的な基準はリース会社によって異なります。契約書に記載されている「通常損耗の範囲」などを事前に確認し、予期せぬ費用負担を避けるための理解を深めておくことが重要です。写真付きのガイドラインなどがあれば、よりイメージしやすいでしょう。
リースの免責についてまとめると
カーリースの「免責金額」は、特に契約満了時に車両を返却する予定の方にとって非常に重要な要素です。もし、契約満了後に車をそのままもらえるプランや、車を買い取るオプションを選ぶ場合は、返却時の査定や免責金額は関係ありません。
しかし、車を返却する予定であれば、以下の点を念頭に置きましょう。
- 短期契約(例:5年以内)の場合: 短期間で返却を検討しているなら、免責金額が設定されているリース会社を選ぶことがリスクを軽減する上で有効です。例えば、オリックスカーリースの「いまのりくん」のように、免責額が明示されているプランは安心材料となります。
- 長期契約(例:7年以上)の場合: 長期契約の場合は、最終的に車をもらえるプランを選択するのがおすすめです。車をもらってしまえば、走行距離の超過や車の状態を気にすることなく、追加費用発生のリスクを回避できます。
万が一、7年以上の契約で返却を予定していたとしても、契約満了時に車をもらってから中古車買取業者に売却するという選択肢もあります。これにより、免責金額や過走行による追加費用を避けつつ、現金化できる可能性もあります。
失敗しないカーリース選びの秘訣
カーリースのデメリットを最小限に抑え、賢く利用するためには、契約満了時に車がもらえるプランを検討することが最もおすすめです。これにより、返却時の査定や追加費用の心配がなくなり、安心してカーライフを送ることができるでしょう。
この記事でご紹介した「免責金額」に関する知識や、契約時に確認すべきポイントを参考に、あなたにぴったりのカーリースを見つけて、快適でお得なカーライフを実現してください。
カーリースの返却についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひご覧ください。
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